5.アジアは、疑問詞をその場所に置く?

 疑問であるかどうかは、まず最初に,明らかにする。これが今までの外国語に対する理解であった。確かに、ディジタル社会の欧米の場合、"yes" と"no" の二つしかなく、そのどちら側かに属することにより、安心を得ることになる。誰が・何を・何時・何処で・どうした。これは、いわゆる思考原則の5W1H(who, what, when, where, how)である。まずこれを明らかにすることから、物事は始まる。
 しかし、アジアは、どうも違うようだ。ものの自然な思考に従い,何時ものようにして、疑問を表すように思える。これがアジアの奥ゆかしさ、つき合い方のように思える。
中国・上海
日本語:
これは、ですか?
今日は、何日ですか?
映画館は、何処ですか?
今、何時ですか?
English:
What is this ?
Where are you going to ?
Which do you like ?
漢 語:
這是什麼?(これは、何ですか)
到友誼飯店怎麼走?(友誼ホテルへは、どう行きますか)
博物館在*那儿?(博物館は、何処ですか)
美術館幾点開門?(美術館は、何時から始まりますか)
車票多少銭?(切符は、いくらですか)
Hangulo:
igosun muosimunika ?(これは、何ですか)
inhyon odieso parayo ?(人形は、何処で売っていますか)
ipjanryonun olma imnika ?(入場料は、いくらですか)
Phasaa Thai:
Nii arai ?(これは、何ですか)
Khaa theksi thaorai ?(タクシー代は、いくらですか)
Thanakaan yuu thiinai ?(銀行は、何処ですか)
Bahasa Malayu/Indonesia:
Ini apa ?(これは、何ですか)
Dimana saya boleh beli jam ?(時計は、何処買えますか>
Siapa nama Tuan ?(貴方のお名前は)
Pergi ke mana ?(何処へ行きますか)
Mau pergi naik apa ?(何(どうして)で行きますか)
6.アジアは、最後に分かる?

 前章は、疑問詞のある場合の疑問形の場合であったが、疑問詞のない場合の疑問形においても、アジアは同じように奥ゆかしい。露骨に直接聞こうとはしない。相手を思いながら遠慮ぎみに,最後になって、訊ねるようである。
 これが東洋の心といったらどうであろうか。しかし、別な言い方をすれば、この柔らかさこそが,アジアの執念深さ,底力となって逆に現れることになっていないだろうか。欧米の積極的に力をもってしたのと異なり、受け身でありながら辛抱強く,執拗に繰り返し,ついに成就したヴェトナム戦争の勝利の力強さがアジアではないだろうか。日本は、日本人は、アジアにいながら、時としてこのアジアの心を、東洋の心を忘れてはいないだろうか。
タイ・バンコク−Wat
English:
Do you speak English ?
Do you have a pen ?
漢 語:
有書ma(*馬) ?/有没有書?(本がありますか)
Ni(イ尓)是美国人ma(*馬) ?(アメリカ人ですか)
Hangulo:
sajin chigodo twemnika ?(写真を撮ってもいいですか)
i chido nawa iswmnika ?(この地図に出ていますか)
Phasaa Thai:
Mii khon phuut phasaa yiipen pen mai ?(日本語を話す人は、いますか)
Khun pen khon thai ruu ?(貴方は、タイ人ですか)
Suup burii thiinii dai mai ?(ここでタバコを吸ってもいいですか)
Bahasa Malayu/Indonesia:
Apakah saudara lapar ?(お腹が減っていますか)
Adakah kamar makan ?(食堂は、ありますか)
Bolekah saya merokok disini ?(ここでタバコを吸ってもいいですか)
7.思考形態に関係する文型はどうか

 日本語、満州語、韓国語は、前述したように,アルタイ・モンゴル語系で、他の言語と比較して、一般に特殊と言われている。
 日本語などは、S−O−Vの文型をとるのに対し、他の言語は,アジアに於いても、欧米同様,S−V−Oの文型である。このことは、アジアの文化が、欧米とは異なるが、又、日本とも微妙に違っていることを意味するのだろうか。
 
東京−増上寺
日本語:
私は日本人です。(S−O−V)
この近くの美味しいレストランを教えて下さい。
English:
I am an American.(S−V−O)
Could you recommend a nice restrant near here ?
漢 語:
中国人。(S−V−O)
請問這儿附近有好一点的菜館ma(*馬) ?
衣服了。(S−O−V)
到美国。(S−C−V)
中国的年青人最喜歓的体育活動什麼
Hangulo:
Jinun hangugin imnida.(S−O−V)
i tachoe mashiinun resutorawl kalucho juseyo.
Phasaa Thai:
Phom pen khon Thai.(S−V−O)
Chuai nennam raan aahaan aroi thii yuu theo nii.
Bahasa Malayu/Indonesia:
Saya orang Malaysia.(S−V−O)
Tolong beritahu restoran yang enak di dekat sini.
 この中で、興味深いのは、中国語である。英語では、関係代名詞があり、これは説明したある物事を後でより詳しく、また補足的に述べる場合に使用される。ところが、中国語は、これに相当するものは、”的(de)”ではないかと思う。これは,日本語と同じようにある物事の前に来る。中国語の思考形態は、欧米とはまた違い、日本語を含むアルタイ・モンゴル語系に近い思考形態のように思える。

 私は、北京から少し遠い天津へ明日行く。
 我明天去向従北京一点遠的天津。
 I will go to Tianjin tomorrow, where is slightly far from Beijing.

 彼は広州の中山大学で4年間医学を学んだ優秀な医者である。
 他是在広州中山大学学習了4年医学的優秀的医生。
 He is an excellent doctor who studied the medicine for four years at Zhongshan University in Guangzhou.

 日本語が、アルタイ語系に属するのは、学説的に確立していないと言う指摘を受けた。この点、十分検討すること出来ず、考慮して、お読みください。ご指摘ありがとう御座いました。(1997.12/7)

8.最後に、友好の挨拶言葉

こんにちは! 漢 語Ni hao/イ尓好
HamguloAnnyonhashimunika
Phasaa ThaiSawadt dii Khrap/Kha
Bahasa MalayuSelamat pagi/ - hari/ - petang
Bhasa IndonesiaSelamat pagi/ - siang/ - sore/ - malam
PilipinoMagaandang umaga/ hapon/ gabi
乾 杯! 漢 語Ganbei 乾杯
広東語Yamseng 飲勝/ Kwonbui 乾杯
台湾語Hatara(台湾現地語)/ Ganbei 乾杯
HamguloGonbe 乾杯
Phasaa ThaiChaiyoo (万歳の意味)
Bahasa MalayuMari minum/ Selamat minum(あまり言わない)
Bhasa IndonesiaMari minum/ Selamat minum(あまり言わない)
PilipinoMabuhay
ありがとう! 漢 語Xie xie/謝謝
HamguloKansahamnida/Komasumnida
Phasaa ThaiKhoop khun, Khrap/Kha
Bahasa MalayuTerima kasih
Bhasa IndonesiaTerima kasih
PilipinoMaraming salamat
愛してます! 漢 語Wo ai ni/我愛イ尓
HamguloSalanhamnida
Phasaa ThaiPhom rak khun
Bahasa MalayuSaya cinta Anda
Bhasa IndonesiaSaya cinta Anda
 Thank you, Merici, Danke, Gracias, Grazie, Obrigado, Spasibo


Koi nobori
 この取り留めのない感想を終えるに当たって、改めて読み返してみると,アジアの言葉を独りで,時には分からないままに、辞書を引きながら,勉強してきたとはいえ、独断と偏見でその感想を感じるままに,率直に述べたことを、また恥じもなく公にしたことを,今赤面の思いに駆られています。しかし、これもまた、インターネットの良いところではないかと,独り合点をして慰めたりしています。
 率直なお叱り、暖かいご指導を切にお待ちしています。

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