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20.娘の中国と日本の意味の違い(2005.1/2)
 中国で中国の時代劇をテレビでよく見る。清、明、漢の皇帝もの、また日本で言う殿様もの。時代劇は、忍者または武芸の達人がしばしば登場する。日本の忍者と違って、跳んだり、光線を出したり、消えたりと、日本のそれとは桁が違う。数階の建物でも、難なく跳び上がる。正に、中国五千年の威力かと驚かされる。
 さて、話は忍者のことではない。同じく、この時代劇、英雄劇、皇帝劇に、しばしば”娘”の言葉が、登場する。時には、”娘娘”とダブって言われる。発音は、Niang とピンインで書き、ニァンと言う。この娘/Niang は、どうも日本でいう”むすめ”ではないようで、いつも不思議に思いながら、テレビ(中国語で、テレビは電視/Dianshi という)を見ていた。
 思い立って、辞書を調べて、日本で使う”娘”とかなり違っていることが分かった。日本でも、クーニャン/姑娘 を若い娘として、またそれは中国語として、一般に使われる。事実、姑娘もその意味も間違いでもない。”娘”という字の漢字文化で起こる誤解である。

 まず、「新明解国語辞典」/三省堂によると、
「娘/むすめ」:その夫婦が生んだ子供のうちで、女性の方。〔若い女性や、未婚の女性の意にも用いられ、自分の子供を指すこともある。また、実子のほか、養子の場合にも言われる〕
 「大辞林」/三省堂:
 「むすめ 【娘】」:(1)親にとって、女の子供。息女(そくじよ)。(2)若い未婚の女性。
 いずれも、”親にとって、女の子”、”若い(未婚の)女性”である。英語では、Daughter, Girl である。これでは、中国のドラマでいう「娘」は理解できない。

 そこで、中国の辞書を調べてみた。「新編字典/遠方出版社」、「現代漢語詞典/遠方出版社」によった。
 「娘/niang」:@母親、A年長の、また年長の既婚の女性、B若い婦女または婦人、若い女子、例:姑娘。かなり、日本の娘とは異なるところがある。
 さらに、用例、熟語を見ると、
 「娘家」:既婚女性の自分の両親の家、「娘娘」:皇后または高貴な妃、「娘児」:年長の婦人または男女先輩の総称、「娘子」:妻子、青年または中年婦女の尊称。「老板娘」 :親方の妻子。「姑」:@姑(母)、父親の姉妹、A亭主の姉妹。「姑娘/gu1niang4」:姑(母)、亭主の姉妹、「姑娘/gu1niang」:未婚の女子、女の子。
 これによると、娘の字義は、主に、母親であったり、年長の婦人であったり、尊称的な意味を含んでおり、一般に使われ、日本の字義もあるが、最後の字義として載っている。

 中国と日本は、漢字文化圏にあり、それが時に、同じ漢字は同じ意味として、誤解を生じることがある。日中国交回復時、北京で毛沢東、周恩来の宴席で、時の首相・田中角栄、外相・大平正芳が、日中の歴史を振り返り、「大変ご迷惑をおかけしました」と答礼をしたことは、記憶に新しい事件である。迷惑は中国と日本では、全く使われ方が違うのである。これは、通訳・翻訳の問題でもある。「迷惑/mihuo」:@迷う、迷う、戸惑う、A惑わす。

 テレビで使われる「娘娘」は皇后であった、「娘」は母親であった。
 また、中国で、若い娘を「姑娘」というのを余り聞かない。「小姐」、「女孩、女孩儿、女儿」が多いと思うが、どうでしょうか。


19.長江か揚子江か(2003.6/7)
 中国に行くようになって、不思議に思っていたことがあった。それは、中国の大河で、一つは黄河、そしてもう一つは揚子江と習った。ところが、中国では、揚子江とは言わず、長江と言う。このことは、約10年間、心に引っ掛かっていた。最近、中国北京の友達とたまたま、長江又は揚子江について話す機会があった。しかし、必ずしもこの疑問は解けなかった。
 友達が言うには、中国では長江と言う、揚子江とも言うことがあったと思うが、揚子江とは言わない、長江であると。揚子江は、ただ西洋人が言うのではないかと言っていた。
 そこで、インターネットで歴史的に長江か揚子江かを調べてみた。ほぼ下記の(1)−(7)ようであった。
 (1) 揚子江という名前の由来は、南京の東にある鎮江の対岸が唐代に揚子県とされ、長江のその付近を揚子江と呼んだいたところ、外国人が長江全体を呼ぶものと勘違いしたところから始まる。
 (2) 中国以外の国の人々はこの河(長江)を揚子江と呼ぶ。正確には揚子江とは江蘇省の江都から鎮江までの長江のことを言う。
 (3) 長江は、南京に近い揚州付近で揚子江と呼ばれていた。鑑真和上の故郷でもある揚州は、日本との関係も深く、遣唐使もよく訪れたという。その地方名が日本に伝わり、日本では長江を揚子江と呼ぶようになった。
 (4) 上海から長江を約100キロさかのぼると揚州。大河の出発点で、唐時代にはアラビア人がたくさん住み、国際港として栄えた。南岸に揚子鎮という村があり、揚子橋があり、橋の付近が「揚子江」と呼ばれ、外国人が世界に喧伝したが、中国の呼び名はあくまでも「長江」。
 (5) 「揚子江」という呼び名は西洋人のある誤解から生じた。その誤解というのは、19世紀初頭に生まれた。  西洋人が船で長江を下っていた時、船頭に尋ねた。「この川はなんという名前ですか?」、船頭は答えて曰く「はい、揚子橋です。」たまたま近くに架っていた橋の名称を答えてしまった。西洋人は「揚子江」の聞き間違いだろうと勝手に解釈して、以後中国以外では揚子江が通り名になってしまったのだとか・・・。
 Taamchai 注:揚子江、揚子橋は中国語のアルファベット表記・ピンインで、それぞれ Yang Zi Jiang/ジァン, Yang Zi Qiao/チャオ と表記される。
 (6) 訪れた江蘇省の人たちはみな「揚子江」と呼んでいた。揚子江とはこの(長江)下流域の人々の呼び名らしい。
 (7) 「揚子江」は本来、「長江」のうちの揚州付近を流れる川の名前だが日中戦争当時、日本側は長江全域のことを誤って「揚子江」と呼んでいた。

 以上の調査した内容に基づき、まず、地図を調べてみた。
 (1) 中国国内の地図は、ほぼ長江であった。
 (2) 外国発行の地図は、Yangtze (River), Yangzhi (River) が多い、Chang Jiang と書かれたものもあった。Microsoft MapPoint, Map Quest.com なども Yangzte, Yangzhi と呼んでいる。
 (3) 1915年発行の日本国有鉄道の地図は、揚子江と呼んでいる。
 (4) 1912年韓国で発行された地図で、Blue River, Yantze River と呼んでいる。

 揚子江を調べるうち、この鎮江は日本とも関係があることが分かった。鎮江は古くは古都金陵ののどもとの意味で、「京口」と称し、2000年有余の歴史がある。名所旧跡が多く、北固山、西に金山、東に焦山の三山がある。この中の金山は、元々長江の中の小島で、東晋時代(317-420年)に、金山寺が建立された。原名は澤心寺、宋代に龍游寺に改名したが、古来俗称を金山寺という。この金山寺に、室町時代の1472年(明代成化8年)雪舟が訪れ、「大唐揚子江心金山龍游禅寺之図」を描いた。これは今でもその複製品が保存されているという。ここで、雪舟は長江を「揚子江」と称した。揚子江と言う名は、少なくともここでは500年以上前から言われたことになる。ちなみに、この金山寺は、「金山寺味噌」と関係があるとのことである。参照:「古詩之旅―京口鎮江話古今」

 以上から、「揚子江」の名称は、次のように推定するがどうであろうか?
● 鎮江付近では、古来この付近の長江を揚子江と呼んでいた。
● その名前は少なくとも500年以上前からあった
● 日本を含む外国では、揚子江を長江全体に、誤用されたし、現在も一般的に云われて、世界の地図に使用されている。


18.公共モラル - 優先座席(2001.9/30)
LA Subway 今年久しぶりにアメリカに行った。そこで、ロスアンジェルスの地下鉄に乗る機会があった。アメリカの地下鉄は、ニューヨークが有名だ。アメリカの地下鉄は落書などで汚く、また危険だというのが今までの常識で、残念ながらアメリカでの地下鉄は乗ったことがなかったが、ロスアンジェルスの地下鉄は、非常に綺麗で、あまり危険な感じもしなかった。駅など日本のものよりゆとりがあり、綺麗に思った。
 ロスアンジェルス地下鉄にも、身障者、妊娠女性などの優先座席がある。席が空いていたことと、該当する人も乗っていなかったせいもあり、二十歳代の黒人女性がイヤホンを耳に、その優先座席に座り、その音楽にリズムをつけて聞きいっていた。日本の地下鉄にも時々見かける光景である。ところが、ある駅で車椅子の身障者が乗ってきた。どうするのかと見ていたら、ごく自然にすっとたち上がり、乗ってきた車椅子のその人もごく当然のように座った。特別に何もなかったようにすべてがごく自然に行われた。欧米の生れついた、自然のマナーを見た感じであった。
 日本の場合どうであろうか、この場合、無視されるか、かなり不自然になることがある。また、席を譲る場合でも、譲る人と譲られる人との二人の間で押し問答がある時もある。特に譲る人は善意心のやり場がなくなり、戸惑いの場面を見ることも多い。お互い双方のマナーの手本を見た感じがあり、わが日本のことを反省させられた目撃であった。
 なお、ロスの地下鉄では、意外に車椅子の人が多く利用している。


17.近隣アジアの公共システムは進んでいる(2001.9/2)
 今年始めに、高速道路のプリペイド・カード支払いが始まり、高い、安いと言う議論が出ている。これらの高い、安いと言う議論は別にして、近隣のアジアで公共システムを目にする時、日本は意外に公共システムは遅れていないかということを感ずることが多い。ハードは確かに世界で最高レベルであるが、果たして実際のシステムとしては、後進国ではないだろうか。以下、感じたことを列記する。
     
  1. シンガポール:パーキングは事前にクーポンを買い、パーキング使用時は時間にあったそのクーポンを車のフロントに置く。従って、係員もいないし、支払機もない。数年前。
  2. シンガポール:高速道路及び市内進入税に対する課金は、支払装置を各車にシンガポール政府が支給し、道路に設置された感知機により、自動的に感知し各人の銀行口座から引き落とされる。数年前。  
  3. シンガポール:道路のクリーン化に対し、ゴミのぽい捨て、タバコのぽい捨ては有名であるが、主要道路は50m置きに、吸い殻付のゴミ箱が用意されている。相当年前。
  4. マレーシア:高速道路のプリペイド・システム。2年前。  
  5. マレーシア:KLの主要四つ角では交通違反の取り締まりに、カメラが設置されている。数年前。  
  6. タ イ:タイでも1997年、シンガポールと同じように、ゴミや吸い殻のぽい捨てを禁止して、違反者にBt2,000の課徴をスタートした。吸い殻付のゴミ箱が整備されている。1997年1月から。  
  7. 中 国:中国でも、数年前から大都市の空港、道路などでのゴミのぽい捨ては禁止されており、監視員が違反者に対し、RMB15(1995年頃で、現在は変わっていると思う)の課徴をしている。吸い殻付ゴミ箱は整備されている。数年前。  
  8. 中 国:広東地区の高速道路のプリペイド・システム。2、3年前。  
  9. 香 港:地下鉄の定期はICカードにより、定期券が入れられた財布やハンドバックをそのままセンサーにあてる。数年前。

16.東南アジアの事務員の給料(2001.8/17)
 東南アジアの給料水準について、シンガポールの友人の話では、一般事務員の場合で、シンガポールがS$1,000、マレーシアがM$1,000、タイはマレーシアの50%、インドネシアはタイの15%位低いと言うことであった。
 私が滞在の範囲での状況を食事代を合わせてまとめると、大体次のようだと思う。
レベル(1)範 囲(2)円換算(3)一般の昼食代(4)一般の夕食代(5)ホテルでの朝食代(6)
ThailandM$500
(\16,000)
Bt4,000-6,000\11,000-17,000Bt10-40
(\30-120)
Bt150-300
(\400-900)
Bt400-600
(\1,200-1,800)
MalaysiaM$1,000
(\32,000)
M$500-1,000\16,000-32,000M$10-20
(\300-600)
M$20-40
(\600-1,200)
M$30-50
(\1,000-1,600)
SingaporeS$1,000
(\65,000)
S$1,000\65,000--S$20-30
(\1,400-2,000)
IndonesiaM$425
(\13,600)
Rp500,000-1,000,000\6,000-12,000Rp2,000-6,000
(\30-70)
Rp20,000-50,000
(\250-600)
Rp60,000-100,000
(\700-1,200)
Philippines------
Japan(7)-\150,000-200,000\150,000-200,000\500-1,000\1,000-2,000\1,600-2,200
注 (1):シンガポール人の話。(2):各国で聞いた範囲。(3):as of 2001。(4):その国の一般ビジネスマンのレストランで食べる昼食代。(5):その国の比較的いい一般の人がレストランで食べる夕食代。(6):国際ホテルでの朝食代。(7):日本は参考。

 ただ、これが日本と比べて、単純に安いと見るには問題がある。住居、食事その他の物価水準から見るべきだろう。
 国際ホテルの朝食代は、\1,000-2,000位とあまり変わらない。今まで一番高かったホテルの朝食は、パリの Inter-continental Hotel で\3,000-3,500 位(1994)であったと記憶する。アメリカの場合、$20-30(\2,400-3,500)であった(2001/5)。また、ホテルの朝食は、バッフェでない場合、和食は2,3割高く設定されている場合が多い。


15.両手を合わせるタイの挨拶にも注意が必要(2001.8/13)
 タイの挨拶は、両手をあわせる独特のしぐさである。これをワイ/wai という。この両手を合わせる位置には、相手がどういう人、どういう地位の人などによって、その手の位置が胸、口、頭と上になっていく。
 タイのあるレストランで、よくサービスしてくれるウェイトレスにお礼の言葉である”コープクン・クラップ/Khoop Khun Khrap”とともに、両手を合わせるあの挨拶をした。ところがその若いウェイトレスは、吃驚した。この意味が判らなかったが、タイの友人が説明してくれた。先ほどの位置関係が逆の場合は、先に両手を合わすことはなく、上のものから両手を合わす挨拶をされることはとんでもない意味を含むという。それはありえないことであり、された方は早死にするという。知らないことといい、これにはいささか、真心を持っていたとはいえ、その土地の風習、習慣を理解せず、行ったことを後悔した。
 因みに、この場合、単にお礼の言葉を述べればよいという。カンボジアのシアヌーク国王は誰にもよく両手を合わす挨拶をしているのを見るが、タイではこのようなことはないという。タイ国王が唯一ワイの挨拶をするのはお坊さんのみという。
 それぞれの国、地域での行動は承知して行わないと思いと別な結果になるので注意が必要である。


14.中国人にとって、背中をたたかれること(2000.8/29)
 何気なく、さぁ頑張ろうと言う気持ちで、ある中国人の背中を叩いたことがある。これに対して、その中国人は、血相を変えて、中国人にとって、背中を叩かれることは、これで終りだということを意味すると言う。
 我々、日本人にとって、それがそんな深刻なこととは思わず、その訴えにいささか驚かされた。むしろ、親しみを表す表現にも、民族の違うと、まったく逆の表現になる。世界の人との付き合いは、ちょっとしたことが、大きなことになる場合がある一例である。ちょっとしたことが、大きな誤解となる一例である。
 タイ人にとって、頭を触られることは、大変なことのようだ。頭は非常に重要な場所で、お坊さん以外の人が、頭を触ることはないと言う。最近、日本で多い頭を叩き合う漫才の場合、タイ人はどう思って見ているだろうか。


13.選挙と禁酒(2000.4/1)
Upper House Election タイで上院議員が初めて直接選挙によって選ばれた。2000年3月4日(土)にその選挙が行われた。ちょうどその時に、タイに滞在した。選挙自体は,特別なことはない。
 ただ、候補者は全て番号制を採用しており、1から約200以上の番号が付けられ、名前を覚えてもらう以上に、その候補番号を間違えずに覚えてもらうことが重要でる。もう一つは、投票は候補者一覧表に、投票する人の番号に、一つの[X]を付けることで[O]でも[レ]でも、[●]、[◎]でも[X]以外は無効になることである。

 選挙といえば,選挙運動が付き物であるが,街は番号の書いたポスターが張られている以外、選挙らしさはない。あの日本,特に台湾の騒々しい選挙運動はない。静かなものであった。この上院議員の候補者は何らかの形で,党に所属しているだろうが,すべて無所属で立候補していた。上院と下院との性格のさを明確にしたものだろうか。このため却って、一般の人の候補選びが大変のようだ。

 この選挙制度とは別に、変っていたのは,投票日の前日、3月3日(金)はタイ全土で,酒を供することは勿論,売ることも禁止され,これに違反すると罰せられるということである。酒を飲んで投票に行けないことを避けるためのようだが、酒による収賄を避けるためであろう。本当にタイ全土から酒が消えた一日であった。レストランは勿論、タイに行った人は分るだろうが、あのタニヤから酒が消えたというより、タニヤが消えた。ネオンと女の子と運転手が消えた。しかし、パッポンは、タニヤと違って,日頃から酒以外も供しているせいで、やっているところもあった。
 投票日当日は、ラジオ等では酒の提供は禁止されていたようであるが、レストランにより提供していたし、タニヤも営業したようだ。しかし、店では販売していなかった。
 レストランなどで酒を提供しない所は他にも世界ではある。アメリカの南部の州、テネシーであったと思うが、レストランでは酒を売っていなかった。飲みたい人は持込で飲むことは出来た。また、タイでは禁酒日があり、酒をお茶碗で飲んだことがある。ビールをお茶碗で飲むわけである。”お茶”というと奥で注いだビールを持ってきてくれる。これには感心した。


12.日本人の名前と外国語(1999.8/10)
 日本の場合一番先に外国語と接するのは、英語だろう。その場合、日本人の名前と外国語との関係で、発音的に面白いことがある。例えば、
 大 野:Oh, No.(オーノー)==いぇ-違いさん。
 大 場:Over(オーバー)==終りさん、超えてるさん。

 アジアの言葉にも、日本人の名前で、同様に発音的に、面白いことがある。  
11.タイの味覚(1999.8/10)
 タイ料理は,辛くて,甘くて,酸っぱくての三拍子。その代表的なものに世界三大スープといわれるトム・ヤン・クン、エビスープがる。
 今まで,7,8年もタイに行って来たが,この奇妙な味が理解できなかった。タイの人の奇妙な味付け、例えばタイそばに、辛子,砂糖,酢を入れる,そして美味しそうに食べる。まったくタイの人の味覚は理解できなかった。

 今回、あるタイの人が非常に唐辛子の利いた辛い料理を食べて,美味しくないと言う。甘味、酸っぱさ、塩辛さがないと言う。タイの人の味覚は、勿論辛さ以外の味があるが、辛ければいいと思っていた。どうも,辛さだけでなく、4つの味のバランスのようだ。
 日本料理は,淡白を良しとし,食材の味を生かすと言うが,味覚については,案外タイの人のほうが,,強力な味のバランスの中で,食材の味を知っているのではないかと,ふと思った。日本人は、微妙な味を案外分からないのではないか。単に,一括りにして,辛い,塩辛い、酸っぱい,甘いと言ってしまうような気がしてきた。確かに,タイの味は強いが、この中に微妙な味を感じ,そのバランスの美味しさをタイの人は知る。

 日本の常識は,世界の非常識とよく言われる。案外,味覚についても、同様ではないかと,辛さ,甘さ,酸っぱさ,塩辛さのバランスがないといったことから、ふと思った。


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