ルネサンス様式の中華民国の総統府（大統領府）は、日本と関った歴史の建物である。日本統治時代（1911-1945）の台湾総督府である。1945年アメリカの空撃を受けて焼失したが、戦後修復され、1949年から中華民国の総統府として、現在に至っている。ここで思い出すのが、同じ総督府として、使用された韓国の場合、一旦国立博物館と利用され、結局1997年に取壊されたことである。余りにも異なる結果に対して、何故このように正反対の行動になったのだろうと考えさせられる。
白い縁取りの煉瓦造りで、中央の塔は高さ６０ｍ。
中山南路の正面アーチは、蒋介石の座右の銘「大中至正」を刻んだ額が掲げられた高さ３０ｍ、これをくぐると正面に、７０ｍの純中国風の白い中正記念堂が見える。この２階に高さ６．３ｍの巨大な蒋介石の座像が有る。
この中正記念堂を訪れるたびに、蒋介石の「権力の大きさ」に吃驚する。巨大な純白の大理石の建物がそびえる様、例えようもない光景である。蒋介石の業績は、今見直しの動きも出ているようであるが、これだけのものを建造させた力はまさに皇帝以外にないだろう。更に、記念堂二階の高くて、広い堂内中央に鎮座する蒋介石の巨大な座像に吃驚する。台湾における蒋介石のすごさを実感する。
蒋介石を像の前には、左右に二人の儀杖兵が守り、１時間おきに儀杖兵の交代式があり、見物である。儀杖中は身動きしない、みごとである。
ホールの天井。
南北に門が有り、南側の大孝門、そこから見た記念堂。
左に国家戯劇院、右に国家音楽庁で、どちらも中国伝統の宮殿様式で建てられている。
